2021年 11月 10日にマツダ株式会社は2022年3月期 第2四半期の決算説明会を開催しました。
「2022年3月期」とは2021年4月から3月までの会計年度を指します。
その会計年度の2つ目ということで、7月から9月までの結果とそれ以降の計画などを発表する、ということです。
実際に使われた資料などは、以下のサイトに公開されています。
しかし、公開資料はプレゼンテーション資料と要旨がバラバラに掲示されており、どことどこが関連づいているのかわかりにくい、という方が多くいるのではないでしょうか?
そこで、このページでは プレゼンテーション資料と要旨を掛け合わせて考えてみたいと思います。
<新しい情報があります>
2022年2月10日に発表された第3四半期の決算説明資料についてはコチラ
今回は大きく3つについて述べられています。
1.2022年 3月期 上期実績 2.2022年 3月期 通期見通し 3.中期経営計画の進捗
では、それぞれについて見ていきましょう。
まず、今回は「1.2022年 3月期 上期実績」についてです。
2022年度 3月期 上期 グローバル販売台数
ここでは販売台数について、地域 × 四半期・半期を上げ、前年比・前々年比の差と比率を出しています。
単位は(千台)です。
グローバルでの実績・比較
2021年4月から9月に、全世界でマツダ車は66万台販売された、といことになります。
これは、昨年2020年4月から9月と比較すると8万2千台のプラス、14%アップということになります。
しかし、昨年はコロナ流行のど真ん中であり、どこも購買意欲が低下していたり、そもそも販売店が開いていなかった、という状況にあり、フェアな比較ではありません。
そこで、前々年2019年4月から9月との比較も掲載されており、7万台マイナス、10%ダウンという結果です。
ここについてのマツダの見解は以下の通りです。
グローバル販売台数の上期実績は、継続するコロナ禍での取引先様の工場のロックダウンや逼迫する半導体の部品供給不足により、想定を上回る減産の影響を受け、66 万台となりました。その環境下で、米国、オーストラリアなど、販売が好調な市場への供給を優先し、グローバル在庫の効率化と最大活用を進め、リーンな在庫による販売/収益の最大化に取り組みました。
引用:マツダ株式会社 2022年3月期 第2四半期 決算説明会 スピーチ要旨
マイナス要因:コロナ禍・部品不足による減産
(-) マイナス要因としては継続するコロナ禍の影響があり、部品が不足してしまって、減産になってしまった、ということです。
たしかに、部品不足による工場の操業停止はマツダ公式サイトのNEWS ROOMでも何度か発信されていました。
最新だと2021年8月に発表されています。
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2021/202108/210827a.pdf
広島・防府工場の操業停止はこれ以外にも何度か出ていますし、タイやメキシコにある海外工場でも何度も操業停止になっているようで、部品在庫を多く持たない現在のサプライチェーンの考え方の下ではやむを得ない事態なのかな、と思います。
プラス要因:アメリカ・オーストラリアで好調な販売
(+) プラスの要因としては、主要市場の販売が好調となってきたこと。これまでマツダは、オーストラリアでは一定のシェアを持っていたものの、アメリカでは苦戦してきました。
近年では、そのアメリカでの販売を伸ばすべく、さまざまな対応をしてきましたが、その効果が出てきたのかな、と思います。
日本での販売状況は厳しめ・・・
販売台数・シェア・登録者シェアがすべて下がってしまっています。
販売台数の低下はコロナ禍による生産減が影響かもしれませんが、他メーカーも同じ状況のはずなので、シェア・登録者シェアの減少はそれでは説明がつきません。
これからCX-5の商品改良車を皮切りに、CX-60・CX-80と新モデルが投入されていくはずなので、マツダの競争力のパワーアップに期待したいと思います。
また、日本国内向けには「CLUB MAZDA」という無料Web会員サービスを開始しました。
まだ活用しきれていないような気もするのですが、このサービスを通して日本のマツダファンを増やし、たくさん販売してもらいたいと思います。
きっとそうすると、来週2021年11月15日(日本時間16日)に発表されるであろう、アメリカ向けのCX-50のように、日本に適した日本向けのモデルも作られるのではないか、とほんのり期待しています。
その他地域:欧州は微増、中国は微減
欧州はコロナ禍影響からの回復傾向を見せながら、排ガス規制があるからか、もともとのシェアも大きくありません。
今後、欧州で発売することが発表されている「トヨタ・ヤリス・ハイブリッドのOEM車」に期待でしょうか。
中国は人口が多く、販売機会の多い市場ですが、シェアは1%を切っており、非常に苦戦しています。
そんな中、中国国内に2つあったマツダ関係の会社を統合することを発表しています。
中国の販売の歴史を振り返ると、2005 年に中国一汽との販売合弁会社を設立しました。さらに 2007 年に長安汽車、Ford との合弁事業を開始し、合弁2社体制でビジネスを展開してきました。この 2 パートナー戦略は、進出初期においては様々な知見の吸収や経営の安定化から有効だったと判断しています。
引用: マツダ株式会社 2022年3月期 第2四半期 決算説明会 スピーチ要旨
しかしながら、スモールプレイヤーであるマツダには他社のようなチャネル別の派生車種の展開が投資効率面から難しく、それによるお客さまへのご不便を解消すべく、「分散から集中へ」見直すべき時期と判断しました。大きなチャレンジではありましたが 3 社間で協議を重ねた結果、2021 年 8 月に公表したように2つの合弁事業を統合し、3 社共同出資による新合弁会社の立ち上げを実現することができました。この中国初の合弁事業再編により、ビジネス構造と運営体制を最適化することで、顧客体験の強化と将来の成長に向けた基盤が整いました。
今後も両パートナーとの友好な関係を維持し、これまで築き上げた資産を活用しながら新たな商品も導入し、ビジネスの成長加速を推し進めていきます
かつて日本国内でもあった複数販売チャネルの弊害が中国でも重要視され、会社統合の判断となったようです。
中国は他の海外各国と比較すると特殊な市場で、非常に高い関税をかけて海外からの輸入を制限する傾向が強いです。
また、中国国内で生産する場合も、海外メーカー単独での参入はできず、国内企業との協業が必須になっている、という話を聞きました。
そんな状況下で、次第に範囲を広げていって発散させ、あるポイントで統合して集約する、というブレインストーミングのような進め方は、タイミングの早い・遅いは置いておいて、よい判断なのかな、と思います。
2.2022年 3月期 通期見通し ← 準備中
すみません、鋭意準備中です。完成したら該当ページのリンクを追加します。
3.中期経営計画の進捗 ← 準備中
すみません、鋭意準備中です。完成したら該当ページのリンクを追加します。
まとめ:コロナ前の状況に回復しつつある状況
このように、販売台数の面からは、コロナ禍で低下した台数を戻すべく、さまざまな施策を取っており、完全回復!とはいかないものの、回復しつつあるのかな、という印象です。
今後、順次 新モデルが出てきますので、この回復が超回復となり、さらにシェアを増やして、良い車をたくさん出していってほしいと思います。
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